皆さんはキャリアコンサルタントをご存知ですか?
何となくイメージできる方も多いとは思いますが、具体的にどうやったらなれるのか、資格が必要なのかについては、知らない人も多いと思います。
今回は、最近取得する人が増加中のキャリアコンサルタントの資格や必要性について、未経験の方にとって分かりやすいように詳しく解説していきます。
キャリアコンサルタントは役に立たない?~キャリアコンサルタントとは~
まず、キャリアコンサルタントの資格は役に立たないかどうかを判断する前に、そもそもキャリアコンサルタントがどのようなものか、また、資格についての説明をしていきます。
キャリアコンサルタントの定義
キャリアコンサルタントの定義は、キャリアコンサルタント資格の公式HPにおいて、
「キャリアコンサルタント」とは、キャリアコンサルティングを行う専門家です。キャリアコンサルティングとは、労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言及び指導を行うことをいいます。
キャリアコンサルティングを通じて、自分の適性や能力、関心などに気づき、自己理解を深めるとともに、社会や企業内にある仕事について理解することにより、その中から自身に合った仕事を主体的に選択できるようになることが期待できます。
と定義されています。
実際に転職活動や就職活動の際に、転職相談のサービスを受け、アドバイスをもらいながら活動を進めた方も多いのではないでしょうか。
キャリアコンサルタントの資格とは
次にキャリアコンサルタントの資格についてです。
キャリアコンサルタントの資格は、
・「キャリアコンサルタント試験」
・「キャリアコンサルティング技能検定(1級、2級)」
の2種類がありますが、「キャリアコンサルティング技能検定」は実務経験が3年~5年必要になってきますので、今回の記事では省きます。
同じくキャリアコンサルタント資格の公式HPでは、
「キャリアコンサルタント」は、平成28年4月より国家資格になりました。キャリアコンサルタントは登録制の名称独占資格とされ、守秘義務・信用失墜行為の禁止義務が課されています。キャリアコンサルタントでない人は「キャリアコンサルタント」やそれと紛らわしい名称を名乗れません。
と説明されています。
キャリアコンサルタントの資格は国家資格であるということが分かりますね。
キャリアコンサルタントを名乗るためには、このキャリアコンサルタント資格がなければなりません。
キャリアコンサルタントの資格が役に立たない・意味がないと言われる理由
キャリアコンサルタントの資格を取ろう!と決意して勉強されている方々にとってはショックなことかもしれませんが、「キャリアコンサルタントの資格は役に立たない」と言われている現状があります。
私はキャリアコンサルタントの資格を取得することは決して無駄であるとは思いませんが、資格よりまずは実務経験の方を重視した方がよいと思います。
ここでは、なぜキャリアコンサルタントの資格が役に立たないと言われてしまっているのかを解説していきます。
キャリアコンサルタントは資格が必ずしも必要な職業ではないから
キャリアコンサルタントの国家資格を持っている=キャリアコンサルタントに必ずなれるというわけではありません。
あるにこしたことはない資格ですが、無資格でもキャリア相談に乗ることはできます。
なぜなら、キャリアコンサルタントの資格は「名称独占資格」であって、「業務独占資格」ではないからです。
この二つの違いは、
「名称独占資格」はその資格を取得した人しか名乗ることが出来ない(例:キャリアコンサルタント)
「業務独占資格」はその資格を取得した人しか業務を行えない資格のこと。(例:弁護士、医師)
となっています。
つまり、キャリアコンサルタントの資格がないと、キャリアコンサルタントを名乗ることはできないものの、キャリア相談の業務を行うことはできます。
実際に人材会社では、未経験採用もありますし、無資格であっても応募できます。
私の友人にも、資格は持っていない状態から、新卒でキャリアアドバイザーとなり、現在も続けている人がいます!
そのため、資格を取得していることが必ずしも就職に影響があるとは言えないようです。
キャリアコンサルタントの資格取得にかかる費用・時間が大きいから
キャリアコンサルタントの資格は難易度だけで見れば、そこまで難しい資格ではないと言われています。
実際に、合格率は約50%です。
しかし、キャリアコンサルタントの資格取得のためには、専用の講座を受講しなくてはなりません。
その専用の講座の受講には約30万程かかり、資格検定試験の受験料も学科試験と実技試験を合わせて約4万円程かかるので、決して安くはありませんし、時間も拘束されます。
なので、学生が就職活動のために取得したいと考えると中々難しいかもしれませんね。
役に立たないと言われているキャリアコンサルタントの資格を生かすためには
ここまで、なぜキャリアコンサルタントの資格は役に立たないと言われているのかについて解説してきました。
では、キャリアコンサルタントの資格を取得したとして活かすためにはどうしたらいいのでしょうか。
キャリアコンサルタントとして実務経験を積む
「資格がある」だけでは、信頼を勝ち得ることはできません。
実務経験をどれだけ積めるかがとても重要になってきます。
資格取得後に実務経験を積むことは、未経験に比べてスムーズに業務に慣れることが出来ることから優位に働きます。
資格+実務経験がどちらも揃ったときにこそ信頼されるようなキャリアコンサルタントになれると思います。
キャリアコンサルタントとして独立・転職する時
例えば、あなたが独立してキャリアコンサルタントをやっていこうと思った場合ですが、相談する側の立場に立てば「国家資格」を持っていることは大きなアドバンテージになります!
実務経験だけではなく、目に見える「資格」という形で示すことが出来るのは大切ですよね。
実務経験で実績を示すことの他により説得力を持たせるという意味で、資格は重要になってくるものと考えます。
そして、転職活動の際ですが、自分にとって最良の選択をするための知識があるというだけで、アドバンテージにはなりますが、それに加えて万が一同じくらいの実務経験を持った人と選考で争うことになった場合、資格がない人よりある人を選ぶと思いませんか?
そういった面で、資格を取得することには意味があると思います。
キャリアコンサルタント業界の今後
キャリアコンサルタント業界は今後どうなっていくのでしょうか。
キャリアコンサルタント自体が役に立たない時代になってしまうのでしょうか?
キャリアコンサルタントの今後の需要は高まる
昨今は、コロナ禍ということもあり、求職者が増加している傾向があります。
また、AI化の影響で今後無くなっていく職業もあると言われている中で、自分の職業選択に悩む人も増えていくと思います。
更に、近年では終身雇用制を廃止する企業の増加と共に、「転職が当たり前」になってきました。
そこで、役に立つのがキャリアコンサルタントです。
人にアドバイスをするだけではなく、自分の今後のキャリアを見つめなおすことを考えるのにも役に立ちます。
そのため、年々キャリアコンサルタント資格の取得に励む人は増加していると言われています。
今後も更にニーズの高まる資格だと言えますね。
まとめ
・キャリアコンサルタント資格は国家資格だが、名称独占資格であり、持っていないとキャリア相談業務が出来ないわけではありません。
・実務経験を積むことが資格取得よりも重要です!
・しかし、今後の需要の高まりや、経験だけでなく「資格がある」と示すことは大きなアドバンテージになるため、取得は十分に推奨されると言えます!